2015/10/21に無事リリースされたRyoma Maeda&Romantic Suicidersのファーストアルバム「シンセサイザーガレージパンクバンド」のミックス・マスタリングを担当したSteve Havisと久々に再開し、「いきなりステーキ」を食べながらこのアルバム制作の思い出を語り合いました。せっかくなのでその様子をみなさんにもお届けします。(写真はイメージです)
まずその前に、このググっても出てこないミックス・マスタリングエンジニアSteve Havisとは何者なのか!?というとこを説明しないといけないかもしれません。
彼との出会いはRyoma Maeda&Romantic Suicidersのとあるライブの日でした。ライブが終わった後、楽屋で今日のプロ野球結果をチェックしていると彼が突然入ってきて南部なまりの早口の英語でこうまくしたてました
「お前らは最高だ!豚のケツをタワシで叩くような音だ!アルバムを作らないのか?もし作るのならオレにエンジニアをさせろ!世界一クレイジーな音にしてやる!」
彼の勢いに圧倒されながらも「豚のケツをタワシで叩くような音」という表現があまりに斬新で、これはRyoma Maeda&Romantic Suicidersの作品を作るのに必要な男かもしれない。とオレは確信しました。
そしてそれから数ヵ月後、アルバム制作のメンバーとして彼を正式に招聘することを決めました。
しかし!!!
その後、衝撃の事実が判明するのでした。。。。それは対談の中で・・・
Ryoma Maeda: やぁSteve元気だった?
Steve Havis: あぁ、コレステロール値と尿酸値は相変わらず高いけど元気だよ(笑)
Ryoma Maeda: アルバムも無事発売したよ、いやーほんと大変だった・・・・。
Steve Havis: あのアルバムは唯一無二の最高のアルバムだ!あんな音は世界のどこを探してもないよ!
Ryoma Maeda: そりゃそうだろう、だってオファーした後にわかったことだけどSteveはエンジニア経験ゼロで、とある商店街にある肉屋で働く、只のパンクロックとノイズミュージック好きのおっさんだったからなー(笑)スティーブって名前のつくやつがミックスエンジニアとして名前が載っていれば、なんだかスティーブアルビニにミックスやってもらったみたいでかっこいいなーっと思ったオレの発想が安易だったよ(笑)
Steve Havis: プラグイン?なにそれ?って感じだったからねー(笑)
Ryoma Maeda: 笑い事じゃねーよ!(笑)でも、「豚のケツをタワシで叩くような音を目指したいんだ!」ってまた真顔で言われて、、、
Steve Havis: そう、豚のケツをタワシで叩くような音を目指したんだ!頭の中では最高の音ができあがっていたから、あとはそれを実現する方法を知るだけだよ。簡単なことだ。
Ryoma Maeda: 素人がドヤ顔で言うな!
Steve Havis: メルツバウとセックスピストルズを足して4で割ったような音にしようと思ってDAWの使い方をいちから覚えたよ。
Ryoma Maeda: 4で割ったらダメだろー(笑)良さが半減してるじゃねーか!せめて掛け算にしてくれ。
Steve Havis: そうだそうだ(笑)4で掛けたような音だ!
Ryoma Maeda: しかし、よく1週間でDAWの使い方覚えて。次の1週間でミックスとマスタリングの知識習得したねー
Steve Havis: 毎日、8時間ググって勉強したからねー。肉屋で8時間バイトして、8時間ミックス・マスタリングの勉強して、8時間寝るってのが当時のオレの暮らしさ。
Ryoma Maeda: 8時間寝るってとこであんまがんばった感なくなってるけど(笑)最終的にはオレの理想とする音になったから安心したよ。真面目な話し、オレとSteveが目指す音で共通してたのは、巨大な音の塊みたいなのがガツーン!と聴き手にぶつけられる音だ。
Steve Havis: そう、昨今の音ヌケとか、、周波数の分離とかほんとどうでもいいね!(笑)聴き手の心をかきむしるような音の塊。それをぶつけるためにはまず壁だ!
Ryoma Maeda: うん。ウォールオブサウンドの現代版みたいなイメージはたしかに近い。
Steve Havis: みんな優等生みたいな分離してお行儀のいい音ばかりだ。オレたちが目指したのは最高に行儀悪いけど、アガれる音!
Ryoma Maeda: まさにそのとうり!爆音でアガれる音。2人で結構こだわったのはドラムの音だねー
Steve Havis: そう。絶対こうしたかったのは、部屋の中で爆音で叩かれているドラムの音がそのまま聴こえているような音
Ryoma Maeda: つまりはマイクで拾ってミキシングしてスピーカーから出したような音でなく、コンクリートうちっぱなしの部屋で思いっきり叩いたドラムを耳で聴いてるような音だね。
Steve Havis: その通り。その音がこのバンドにはぴったり合うと確信があった。
Ryoma Maeda: そのイメージがよく出ているのが、5曲目の「Against – 反抗して、反対して、反抗して」だね。
Steve Havis: うん。あのドラムの音最高!キムさんのドラムフレーズも最高!
Ryoma Maeda: あの曲のドラムアレンジはキムさんと二人でほんと苦労したからねー。
Ryoma Maeda: Steveの一番のお気に入りはどの曲?
Steve Havis: 2曲目の「Fancy Rider – 気まぐれ暴走野郎Rチーム」だね。あのシンセベースの大味なフレーズを聴いただけでテンションあがってくる。
Ryoma Maeda: あの曲はイントロのベースフレーズからドラムが始まるまでのハジメタルが弾いてる上昇するようなシンセフレーズもあがるねー
Steve Havis: 「Fancy Rider」はAメロもサビもまったくボーカルは同じメロディーなのに聴いてて飽きないのが不思議だ。
Ryoma Maeda: この曲はライブでやったら盛り上がるだろうねー。当然12月23日のワンマンライブでもやるよ。
Steve Havis: ワンマンライブは3部構成になってるようだけど、どんな感じになるの?
Ryoma Maeda: まだあんまり詳しくは言えないけど、映像も入ったりとか、、昔のX JAPANみたいに各メンバーのソロコーナーとかあったり(笑)って感じかな
Steve Havis: スターリンのライブみたいに臓物投げるんだったらいつでも言ってくれ。オレの本職は肉屋だから(笑)
Ryoma Maeda: ありがとう。たぶん必要ないと思うよ。
Steve Havis: そうか、パンクと臓物はきっても切り離せないものだから必要になったらいつでも言ってくれ。じゃあまた
※話しの半分は本当ですが、半分はフィクションです
なにはともあれ気になった方はRyoma Maeda&Romantic Suicidersのダイジェスト版をチェック!