Q: 「Live at Pudokan」はどんなコンセプトで制作された作品ですか?
Ryoma Maeda: 僕が10代の頃、QueenやRCサクセションのライブアルバムが大好きでした。
当時は日本の西の端、五島列島という離島に住んでいたので、気軽にアーティストのライブを観に行くことができなかったんです。
しかもその時代は、今のようにYouTubeやインターネットが発達していなかったので、ライブ映像を観る機会もほとんどありませんでした。
だからこそ、ライブ盤アルバムを通じて、歓声や空気感からライブの風景を想像して楽しんでいました。
いつか自分でもそんなライブ盤を作ってみたい――ずっとそう思っていたんですが、なかなか機会がなくて。
そこで今回は、テクノロジーの力を借りて実現してみようと思ったんです。
ホールの歓声をサンプリングしたり、全体にホールリバーブをかけたりして、“擬似ライブ盤”を作ったのがこの『Live at Pudokan』です。
Q: タイトルの“Pudokan”にはどんな意味や意図を込めていますか?
Ryoma Maeda: 日本のアーティストにとって、「日本武道館」はライブ会場の象徴的な場所ですよね。
多くのライブ盤も「Live at Budokan」と名付けられていますが、僕の場合はその“憧れ”を少しもじって「Pudokan」としました。
ちょっとユーモラスに、でも敬意を込めて。
Q: 即興性やアドリブ要素はありますか?
Ryoma Maeda: 「Guitar solo」は、一度即興で弾いたフレーズをベースに、あとで編集して仕上げています。
ちなみに、本物のギターを弾いているわけではなく、シンセサイザーに入っているプリセットのギター音を使っています。
ただ、演奏中の僕の表情はしっかり“ギタリスト顔”でした(笑)。
Q: 聴き手にどんな感情を味わってほしいですか?
Ryoma Maeda: スタジアム級の会場で、Ryoma Maedaのライブを観ているような高揚感を味わってほしいですね。
Q: 今作で挑戦した新しい試みはありますか?
Ryoma Maeda: “擬似ライブ盤”というコンセプト自体が新しい挑戦でしたが、楽曲面でも新しい試みがあります。
たとえば「夜明けの地引網」は、架空のプログレッシブ・ロックバンドが演奏しているイメージで作りました。
プログレ風というテーマに挑戦したのは今回が初めてです。