音楽家Ryoma Maedaによって作曲された「幻想交響少年晩年狂奏曲」は、ストリングスとシンセサイザーの壮大なサウンドスケープが広がる、変則的でありながらも心を奪われる美しい楽曲です。
ドラムンベースのリズムを大胆に取り入れ、クラシックと現代音楽の要素を融合させた、他に類を見ない独創的な世界観を構築しています。
少年時代の純粋な幻想と、晩年の成熟した感情が交錯するような、聴く者の想像力を掻き立てるドラマチックな展開は、まるで一本の映画を観ているかのようです。
Ryoma Maedaの卓越した音楽センスと、ジャンルにとらわれない自由な発想が生み出した、まさに「狂奏曲」と呼ぶにふさわしい、圧倒的なエネルギーに満ちた作品です。
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Q:「幻想交響少年晩年狂奏曲」という非常に独創的なタイトルは、どのような着想から生まれたのでしょうか?
Ryoma Maeda: もともと僕のプロフィールの冒頭に「幻想交響少年晩年音楽家(げんそうこうきょうしょうねんばんねんおんがくか)」という肩書きを書いていまして、これはアルバム『FANTASTIC SUICIDE』を作った頃から使い始めました。この楽曲のタイトルは、まさにその肩書きから発想されたものです。
なので、まずはその肩書きがどうやって生まれたかという話からお伝えしますね。
きっかけは、Shing02さんのWikipediaに書いてあった「抽象アドベンチャー企業の少年実業家」という肩書きがすごくかっこよくて、「自分もこういう謎めいた肩書きがほしい!」と思ったことでした。
「幻想交響」という部分には明確な意味はなく、字面や響きが好きだったので直感的に選びました。「少年」という言葉は『FANTASTIC SUICIDE』のコンセプトにも合っていたので使ったのですが、自分自身もう“少年”というには年齢的に少し厳しいかなという照れもあって、「晩年」という言葉をあえて組み合わせています。
そして、この曲のタイトルを考える際に、ストリングスが楽曲全体を包み込む中で、無邪気で壊れたようなビートが鳴っている。その感じが「幻想交響少年晩年」という言葉とぴったり合うなと感じました。
ただ、それだけだと何か物足りない気がして…。そこで、「ぶっ壊れた無邪気なビート」をうまく言い表す言葉を探していたときに、「狂奏曲」というワードがひらめいたんです。
こうして、「幻想交響少年晩年」と「狂奏曲」を組み合わせて、このタイトルが完成しました。
Q: クラシック、ドラムンベース、現代音楽など、多彩なジャンルの要素が融合されていますが、なぜこの組み合わせを選んだのでしょうか?
Ryoma Maeda: この曲は、THE MEGANE STRINGSというストリングス・グループのリミックスを作った際の素材がベースになっているので、クラシック的な要素はそこから自然に取り込まれています。
そして、ドラムンベースについては、90年代中盤〜後半の、まさにこのジャンルが盛り上がっていた時代に、自分も10代を過ごしていたこともあり、最も影響を受けたリズムです。中でも、いわゆる王道のDnBビートより、少し崩れたようなビートパターンの方が好みで、その感覚が今回の楽曲にも色濃く反映されていると思います。
Q: 使用された楽器や音源、機材などで特にこだわったものがあれば教えてください。
Ryoma Maeda: 最近はLogic ProをメインのDAWとして使っていて、ハードウェアはほとんど使用していませんが、この楽曲を制作したのはかなり前で、当時はCubaseを使っていました。ハード音源ではYAMAHAのMOTIF-RACKなども使っていましたね。
YAMAHAのピアノ音源やストリングス音源は今でも好きで、この曲では、生ストリングス(THE MEGANE STRINGS)とMOTIF-RACKのストリングスをレイヤーで混ぜて使っています。生とデジタルの質感が混ざり合う部分には、けっこうこだわりがあります。
Q: ご自身の「少年時代」の体験や抱いていた「幻想」が、この楽曲に影響を与えている部分はありますか?
Ryoma Maeda: 明確に「これを反映させよう」と意識したわけではないですが、ジャケットのイラストにあるような、オーケストラとシンセサイザーが混在したような混沌としたステージ風景──そういった“カオスな世界”は、昔から憧れていたものであり、自分の中にある「幻想」そのものかもしれません
Q: リスナーに特に注目して聴いてほしい部分や、楽しんでほしいポイントはどこですか?
Ryoma Maeda: やっぱり終盤の、ビートがどんどん壊れていくところですね。こういう混沌と無邪気さが入り混じった展開が、自分としては一番好きな部分です。